Ikeda Yoson
いけだ ようそん 1895-1988 日本画家
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| 遙邨は、1895(明治28)年11月1日に岡山で生まれました。幼いころから絵を描くのが好きだった遙邨は、1910(明治43)年、15歳のとき大阪に出て松原三五郎の天彩画塾で洋画の手ほどきを受け、1914(大正3)年、19歳で第8回文展に水彩画「みなとの曇り日」を出品、初入選をはたしました。 さらに、昭和10年代には日本画の巨匠・冨田渓仙の作風に共鳴した時期を経て、戦後には装飾性やユーモアに富んだ独自の表現に到達し、風景画に一境地をきり開きました。1952(昭和27)年の「幻想の明神礁」や1954(昭和29)年の「森の唄」には、江戸時代の円山応挙以来脈々と受け継がれてきた京都派の写生的なこだわりはありません。 遙邨が日本芸術院賞を受賞したのは、1960(昭和35)年64歳のときでしたが、それは決して早い受賞ではありませんでした。遙邨芸術のトレードマークとも言える狐や狸の描写は、このころから頻繁に画面に表れるようになります。小動物に自らを託したこれらの作品に共通する親近感やぬくもりは、人間に強い関心を抱き続けた遙邨の人柄に一因があります。 晩年には漂泊の俳人・種田山頭火に心を寄せ、その句境の絵画表現に挑んだ、いわゆる山頭火シリーズに情熱を傾けます。好きな句を何枚も書き出しては画室の壁に張り、「これらを描き終えるには125 歳まで長生きしなければ」と、おとろえることない制作意欲をみせて次々に作品を発表しました。飄逸あるいは洒脱とも評されるこれらの作品には、できることなら山頭火のように旅をしたいと願っていた遙邨の思いが託されています。自然を愛し、旅にあこがれた遙邨は、1988(昭和63)年9月26日、急性心不全のため93歳の誕生日を目前に他界しました。 |
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